2灯用の蛍光灯、ランプを1本外すと省エネ?
2灯用の蛍光灯、省エネになると思ってランプを1本外して使われているところがありますが、果たして省エネになるのでしょうか?

現在ではさまざまな照明器具が在るなかで、店舗や事務所をはじめ様々な場所で蛍光灯器具がいまだ幅広い需要を占めています。
店舗や事務所の蛍光灯器具を見ていると、やむをえずランプを外して使用していたり切れたまま放置しているお客様が割りと多く見受けられるようです。そのような使用条件で、安定器やランプに与える影響や本当に省エネになっているのかどうか調査してみました。
各メーカーのカタログに記載されているデータには、ランプを外した状況での安定器にかかる負担が記載されています。それを元に下表では蛍光灯器具の中で需要が多いと思われる器具で特に注意が必要な器具を挙げていきます。
タイプW数灯数電圧(V)安定器種類ランプの外し方正常点灯時との割合(%)
入力電流入力電力
グロースタータ32W2200高力率形2灯とも外す123ほぼ0
40W2100フリッカレス形進相回路のみ11956
ラピットスタート20W1100高力率形85〜15612
40W2100フリッカレス形進相回路のみ10354
40W220010354
※上記の進相回路というのは、2灯用フリッカレス形に限りソケットへのリード線が赤色の点灯回路と青色の点灯回路に分かれています。その赤色側が進相回路になります。ちなみに青色は遅相回路となります。

上記表の器具は入力電流(A)が正常点当時より多く安定器に流れていることがわかります。
結果として、安易にランプを外してしまうと逆に電力を多く消費してしまったり、安定器の劣化を進めることにもなりかねません。上記以外の安定器はほぼ問題なく消費電力も抑えることができますが、やはり通電している以上は微量ながら電力を消費してしまうものです。
以上のことから、ランプを取り外す際には問題になる安定器なのかそうでない安定器かを確認することが必要になってきます。また、最近の傾向として「ランプを取り外す・暗さを我慢して明かりをつけない」などの省エネ方ではなく、人のいる時・必要な時にのみ明かりをつけるシステムが効果的であり必要とされてきているようです。

待機電力を真面目に考える
待機電力とはメモリーやリモコンスタンバイ状態で、製品を使用していない時でも消費されてしまう電力。また、主電源をOFFにしていてもプラグがコンセントに差し込んだままでも消費電力は発生します。

ここでは、主な家庭で使用されている電気製品の待機電力についてまとめてみました。

一般家庭において、ひと月の使用電気料金の約10%が待機電力だと言われています。この待機電力は大変微量なものではありますが、長い目で見ていただきますとやはり大きな消費となってきます。
つきましては、少なからずともご家庭の省エネ・節約の目安、又は感覚をつかんでいただければ幸いです。
※注意点
記載されている消費電力・その他の数値・算出方法はあくまでも一例であり、個々の機器・ご家庭・地域によって異なります。

エアコン
エアコンで考えられる待機電力は、未使用でプラグを差し込んだままの状態が上げられます。その消費電力は一日約72Whのようです。オフシーズン183日とすると、その間約290円の無駄な消費があります。
一般の家庭によく使われているエアコンの消費電力は、8畳用の物で冷房時640W・暖房時875W前後の機器が多いようです。
例えば冷房の場合、一時間稼働させ、その内30分冷却作業が行われたとすると320Wh消費します。一日8時間稼働させたとして、30日間続けると約1710円かかります。
また、設定温度を1℃変える事で消費電力が約10%変動します。上記を参照して、シーズン中183日の間に約1100円の節約ができる事になります。

テレビ(36型)
主電源OFF時0.2W、リモコンスタンバイ時2.2Wの待機電力。電源ON時200Wの機器で仮定します。
単純に、1日中リモコンスタンバイにし30日続けると約35円の浪費になります。さらに、リモコンスタンバイ状態2日分はテレビを一時間見るのと同じ消費電力を使う事になります。
このテレビを一日8時間見るご家庭では、一日約1590Wh、30日間で約1060円の電気使用料金が発生します。ちなみに一時間約4.4円です。

ビデオデッキ
主電源OFF時1.9W・リモコンスタンバイ時11.9W・電源ON時約17Wの機器で仮定します。また、稼働時間をテレビの稼働時間と同じこととします。
上記から、リモコンスタンバイ時間が16時間、30日で約5700Wh、年間では約1500円の無駄な浪費が発生することになります。

冷蔵庫(355L)
冷蔵庫には、待機電力に当てはまる消費というのが無いと思われます。しいて言えばですが、コンプレッサーが働くまでの間です。しかし、冷蔵庫はスイッチもありませんし、ましてコンセントを抜く事もできません。
そこでどうするか、冷蔵庫の周りをよく見てみると少しの工夫で消費を抑える方法が沢山あることが分かりました。逆に言えば、それだけ無駄な消費をしていることになります。その中の一つを紹介します。
一般家庭に多いと思われる355Lの冷蔵庫、一年中電気を入れっぱなしですから、年間約480kWhで10560円のコストが掛かっています。
冷蔵庫の周囲には適切な隙間が必要です。隙間が適切でないと熱を放出しにくくなり、消費が大きくなります。
間隔消費電力節約が期待できる料金
上面10cm未満10%増1056円
後面10cm未満15%増1584円
側面2cm未満20%増2112円
※上記表は年間を通したデータです
上記表を見れば、少しの工夫でかなりの節約が期待できることが分かります。

電気ジャーポット(3.0L)
一般家庭で多いと思われる3.0Lのポット、今回は消費電力1200W・保温安定時30Wのもので仮定します。
保温状態の待機電力は、例えば一日10時間保温したとして30日間続けると約9000Wh、使用料金としては約200円です。水からお湯を沸かす時、1回約26円。一日2回沸かす家庭では30日間で約1600円掛かっています。

電気ジャー炊飯器(1.0L 5.5合炊き)
消費電力620W・保温時26Wの機器で仮定します。
待機電力は一日の保温時間5時間として30日間で3900Wh、使用料金としては約86円です。ちなみにこの機器では、朝と晩に一日2回炊くと約27円掛かります。

温水洗浄便座
一般的な機器で、消費電力最大410Wの機器で仮定します。
例えば、ヒーターの稼働が一日3回行われるとします。すると一日約1230Wh、30日で約792円掛かります。
また、便座の熱は非常に逃げやすいものです。使った後はきちんと蓋を閉めておくことで保温効果を発揮し、消費電力を約11%抑えることができるようです。すると30日で約87円、一年間で約1040円の節約になります。